急性期
朝まで緊急の連絡は入らなかった。
入院の用意をととのえて病院に向かう。
半年ぶりのHCU。
カーテンで仕切られた一番手前のベッド。
目は開いてはいるが、うつろで濁っている。
左半身は硬く動かないまま、点滴のチューブが走っている。
まずは症状が悪化していないことのみ安堵する。
その翌日 医師の説明を聞く。
CTとMRIの結果、右脳の2/3が使えず、これは治ることはないとのこと。
良くて現状維持か、悪化して呼吸中枢を圧迫すれば助からないそうだ。
しばらくはこのまま様子を見ることになる。
その旨 親族に連絡を入れる。
個室でもないので遠方からのお見舞いはおことわりをし、そのかわり随時メールで報告すると約束する。
これで仕事に戻れる。
と思う間もなく、高熱が出たとの知らせ。
あわてて病院に行くものの、行ったからといって熱を下げられるものでもない。
脳のことなので、そこからの熱発なのかそれ以外の理由か。
インフルがはやっていた頃でもあり、気がかりではある。
解熱剤と氷枕でしばらくして熱は下がりはじめる。
義父の意識はあまりはっきりしないまま、いつ悪化しても不思議ではない数日がすぎたある日、義父のベッドに近づくと見慣れないものが。