いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

謀 反

元気に回復をみせ、HCUから一般病棟(ここでは相変わらず内科^^)に移り、早くもとろみ食を食べさせてもらえるようになった義父は、

「まあ回復も早いので、次を考えましょう。」

などと医師から説明を受けていた。



そこでホッとしていた矢先、また病院から電話があった。

何があったのか、義父は大声をあげてバタバタ手足を動かしていたらしい。
そのときに点滴のチューブをバッグの根元から引き抜いたらしく、バッグの薬液が下に漏れ、そこにおいてあった機械にかかってしまったらしい。

一大事!である。


なにの機械だったのか教えてもらえなかったが、糖分も塩分も含んだ液体がかかったら大抵の電気製品はダメになるであろう。
しかも医療機器だ。

「申し訳ありませんでした。」



故意ではないが、また同じことを繰り返す可能性はなくは無い。

大きな声をあげることもあり、

「今晩から個室に移っていただきますね。」

ということになった。

ご迷惑をお掛けしました。





その後 薬を飲んで静かに眠ったらしいが、なぜ大声をあげたのか。
痛みや要望など何か伝えたいことがあったのか、それとも意識が混濁した状態なのだろうか…?

もし家で看ていたら、当然のことながら注射や点滴はできないので、落ち着かせるのは時間がかかるだろう。

突然の徘徊の大変さはよく聞くのだが、寝たきりであってもこういうこともあるのだと初めて知った。



2度目の梗塞でろれつが回りにくくなったため、言いたいことをわかってあげられなくて悲しいときもある。
あらぬ方向を向いて、独り言を言っているときもある。
少し認知が進んだのかもしれない。




これからは、身体の状態もさることながら、私たちを認識できるかどうかのほうが気になるだろう。

話が通じない、目の前のものがわからないというのは、家族にとって虚しいことには違いない。


回復の可能性は少し遠ざかる。