いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

変 化

動かなかったものが、動き出す。

ぼんやりと横を向いたままの瞳が、はっきり人にフォーカスを合わせるようになる。

笑う。

悲しげに眉を下げる。

言葉ははっきりしないものの、目の前の人の名前を呼ぶ。


急変を聞いて週末にお見舞いに訪れた親族から、仕事中の私たちの携帯にメールが入る。

「聞いてたのと全然違う。元気いいじゃん」

「あまり動くのでベッドの中にブロックのようなクッション入れられて狭くなってる(笑)」

つまり発泡スチロールに囲まれた新品家電のような状態。

たった一日のうちに、ここまで変化があったのには本当に驚いた。
昨日まで目は動かず声もうなる程度にしか出なかったのに。

今回の梗塞が軽かったこともあり、発熱が残るものの義父は完全に復活のきざしをみせるようになった。




一般病棟に移って、久しぶりですねと看護師さんに声をかけられ、点滴の栄養補給が始まる。
しばらくは楽しみだった食事もできない。
また自力で食事できるようになるのはいつの日なのだろうか。


家系なのか義父の妹弟3人がすべて脳梗塞などで入院しているなか、いちばんの回復度を見せたのは義父だった。

どこまで回復するか、私たちだけでなく親族も楽しみにしている部分があった。

このブログのサブタイトルにもある、「元気で自宅へリリース」という目標に届くかどうかはわからないが、再発前の生活ができていれば、かなう可能性はでてきていた。
(リリースはフライフィッシングでいうキャッチ&リリース、元の世界に戻すことをいう)


年齢を考えれば またいずれ梗塞は起こるだろう。
肝機能など他のところが先に調子が悪くなるのかもしれない。

延命措置も奇跡のウルトラCも求めない。生きようという気力、それだけに拍手を贈りたい。