納骨 1
いずれはお骨を納めなければならない。
お墓の土地は用意されてはいたのだが、墓石などはこれから、という状態だった。
墓石を建てても、この先手入れができるか不安だ。未来永劫などという甘い言葉は信じていないが、目に見えそうなすぐ先のことなら想像はつく。
お墓があっても菩提寺の総本山へお骨を納めには行くので、それならばと行き先を探していた。
できたら人の集まる寂しくないところへ、街中のいつでも行けるところへと、昔住んでいた地域に近い大きなお寺を選んだ。
馴染みの場所にあるお寺は、納骨といっても他の人のお骨と一緒くたにするのではなくそのまま預かる形で、必要となればあとで返納してもらうことも可能だという。
永代供養の費用は二人分だと墓石を建てるのと変わらない。先のことを心配せず、安心して預けられるのはとてもありがたい。
そういう結論で、お骨を納めに行くことになった。