いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

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新しい施設に移った。 

今度は老人保健施設、いわゆる老健だ。
  
ここからは医療ではなくなるため、がんばっていたリハビリも今までほど真剣味はなくなるようだ。
麻痺のある左半身が固まってしまうのを和らげる目的。
今までのが筋トレならこれからのはラジオ体操というところか。
 
 
前のリハビリ病棟でも、車椅子からずり落ちそうになるので、座面の角度が変えられる高規格車椅子というものをお借りしていたのだが、ここではそういったものがなく、車椅子用の安全ベルトを用意するよう言われる。
 
どんなものかわからずネットで捜すと、こういう画像が出てきた。

 

車いす用安心ベルトB-101 [ヘルスケア&ケア用品]

 

「ご自分で作られる方もいらっしゃいますよ」
と言われても、短時間のうちにこれを作れる自信はなく。
 
施設でお借りしているものを写真におさめ、見よう見まねで縫ってみた。
ベルト部分は旅行用スーツケースに巻く、あれを。
幅広いほうがおなかに食い込まず、安定すると思う。
 

http://instagram.com/p/eJ6AYOQjWZ/

実際は安全かどうかもわからないし使い心地も不明だが、むやみにずり落ちるのはこれで防げるはずだ。

他にもミトン(手袋)、ベッドに敷く防水シーツなどが持ち込みで個人管理となる。


面会時間は夜7時まで。少しのことなら時間外でもゆるされた病院のころとは違い、ここは時間厳守だ。

 それ以外のことは、外出などもゆるやかなようなので、老人にはやさしい朝型の生活が送れるだろう。

 

 

 出来上がった車椅子用ベルトをもっていくと、

「えっ?これ作られたんですか⁉」

と驚かれた。前回とは違う看護師さん。

 

通販で届くのを待つより早いかと見よう見まね(アメリカでリバースエンジニアリングREVERSE ENGINIEERINGというのだそうだ。今日偶然別件で聞いたのだが)で作ってみたのでと言うと、

「充分使えますよ。大丈夫です!」

とお墨付きをいただいたのでホッとした。

 

 

 

義父は耳元で大きな声で話しても聞こえないので、起きている間だけ補聴器をつけている。

でも耳自体の調子があまり良くないらしく、自分でいつのまにか補聴器を外してしまうらしい。きちんとケースに収めれば問題ないが、床に落ちたりすると自分では拾うことができない。

細かい部品でできているドイツ製の補聴器は、ひとつ何かがなくなっても使うことができない。以前も本体とイヤフォンをつなぐ細い管が見当たらなくて真っ青になったことがある。ベッドの下に見つけてどれだけ安心したことか。

ずっとそばについているわけではないので、この補聴器だけは気になっていたのだ。

 

「補聴器、なくてもいいですよ。使わなくてもお話できますから。」

これも看護師さんから言われた。言葉のすみずみまできっちりと伝わらないと困るような話をするわけでもないので、補聴器はいらないらしい。

 

耳のようすは、紹介状を書きますのでご家族の方が近くの耳鼻科に連れて行ってあげてくださいと言われる。

 

 

過ごしやすい季節だし、散歩に出るのは気晴らしになるかもしれない。  

近いうちに車椅子で外出してみよう。