希 望
死にたい死にたいとつぶやく言葉
飛び込む耳に “死にたい”の型が形成される
死にたいほど死にたいわけじゃない
思い通りにならないなら死にたいと
そう言ってる
この先の話
“思い通りにならない”
かなわない望み
その言葉のほうが重いのに
軽くオーバーフローして
密度の高い“死にたい”だけが
まるで金塊のように大事に残される
未来ってなんだったかな
夢ってどこへいったかな
ゴールに近くなったときの閉塞感
共感できるひとはいるのかな
それでも身体は生きたいと
右手を動かす
そして左側の脳で
あの言葉を生産し続ける
それが今の希望
死にたいという 許されたひとつの光
(しばらく前の話なので、今はそれさえ感じられないようです)