いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

道のり

失礼だが、今回はやや尾籠(びろう)な話になる。


あいかわらず毎日のように洗ったパジャマやタオルを持っていくのだが、着終わって洗い物の袋にいれてあるパジャマが臭うことがある。

率直にいうと、オシッコの臭いがするのだ。

紙おむつのはずだが、サイズが合わなくて漏れることがあるのだろうか?

不思議に思って看護師さんに聞いたことがある。

「紙おむつしてるんですが、トイレへ行きたいと言った時には連れていって、ちゃんとできることがあるんですよ。」

いつもできるとは限らないですが、と付け加えられる。

「それから、寝ている間に動くほうの手でおむつを外そうと触ることがあって…」

それでパジャマに染みてしまうことがあるようだ。

そのせいか、急性期に入院していたところでは、おむつに触らないよう、

つなぎのパジャマを勧められたことがある。

どこで買うのかわからず、ネットで見つけた矢先にこちらに転院が決まり、注文しないままだったのを思い出した。

その話をすると、看護師さんは言った。

「あの病院は急性期を看るところで、一日中寝たままなのでつなぎのパジャマでもよかったんです。でもこのリハビリ病棟では、自宅で暮らせるよう自立させることが目的です。トイレはもちろんのこと、昼間は普段着でリハビリ、寝る時はパジャマに着替えて生活のリズムを作ります。そのためつなぎのパジャマではトイレに間に合わないかもしれません。

普通の形のパジャマでいいですよ。左半身が動かないので、伸縮性のある生地のものが楽だと思いますが、患者さんの気なれた服、お気に入りの素材などあると思いますので、私たち看護師が着替えさせるのに面倒とかそういうことは一切気になさらないで、好きなものを着せてあげてください。」


さすがにこの言葉にホロリときた。


前にも書いたが、現場はいつも思いやりにあふれているのだ。


またひとサイズ小さくなった義父が家に帰るまでの道のりは、あとどのくらいあるのだろうか。