7×3
葬儀会社との打ち合わせ。
義父の希望があり、家族だけで送ることにしたのだが、誰にも言わずにことを進めるのには神経を使った。
縁を切るわけではないし、仲が悪いわけでもない。
もともととても仲が良く、呼ばなくても集まってしまう親族たち。
それはとてもありがたいことで、私も親族に初めて会うのが葬儀の場だったりして、過去にどれだけ受け入れてもらったかと思うと心苦しいのだ。
だが。
今回は前回とは違う葬儀会社に決めた。
事前にこの地域の斎場を調べてわかったのは、この地域内では家族葬といっても普通の葬儀と変わりないということだった。
人数が多かろうが少なかろうが使うホールの大きさは同じなのが要因なのだろう。
それがわかったので、都市部の会社に連絡する。
嘘のように希望がすんなり受け入れられ、話がまとまる。
ほんの20kmほどの距離とは思えない違いを感ずる。
もうこの頃は8割が10名程度の家族葬なので、200人の規模の葬儀なんてやり方を忘れちゃいましたよ、と笑っている。
その他のことも非常にドライに、いらないといえばそれで済んでしまう。
心のケアの部分と実際執り行わなくてはならない行動を分けて考えてしまえば、こんなものなのかとも思う。
実際に知らせたのは、本人からみて最も近い親族のみ。
それも当人たちは入院していたりもするので、ふたを開けると仲の良いいとこ同士の交流会となった。
まわりからの声は大きかったり小さかったり。
でも 誰のための、と考えた結論だった。
いちばん近い喪主が落ち着かないような葬儀とは誰のものか。
呼ばれなかったから、式に出られないから悼むことができないわけでもないと思う。
穏やかでいい一日だった。
静かに送る、というのも悪くはない。