いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

身体障害者手帳

これが正式名称。

第一級はいちばん重い等級なのだそうだ。


若いひとには就労支援や障害者年金などの支援があるようだが、65歳をすぎると健康保険の医療費や公共交通機関の運賃の一部が免除になるくらいで、かえってこれがあるために受け入れてくれない老人施設もあるらしい。

いまさら医療でもないし、外出するわけでもない。

メリットのために取ったわけではないのだ。

免許でも資格でもないけれど、でも義父のがんばった証が欲しかったのかもしれない。



ちなみに顔写真がついている。

本人だとわかればなんでもいいといわれたので病室で写したが、ちょっとほうけた顔になってしまった。

元気な時の写真が良かったかな?

でもこんなことでもないと、もう写真など撮らなかったに違いない。



私を含め、実の子以外にはあまりいい顔をしないので、私もこの頃は施設の部屋までは行かないことが多い。

ずっと営業職で身だしなみには時間をたっぷりかけるタイプのひとなので、自分の寝ている姿などを見せたくはないのかもしれない。





先日 車椅子のクッションを買った。

身体が左に傾くため、肩の一部が床ずれのようになって痛いのだという。

車椅子のシートは薄っぺらな作りなので、背もたれと座面の一体化したクッションがいいと施設の方に言われる。

ものは悪くなさそうだが、ちょっとした家具が買える値段である。

家で介護していると補助があるそうで、そのぶん高い価格設定なのだとも聞くが、施設にいるので特になにもない。

施設の方に「元気だからまだ長生きできますよ〜。」と言われると、やはりうれしい。

でも身体は老いていくばかりで、だんだんこういうものも増えてくるんだろうと思う。



倒れて意識が薄れたなか、何を見て何を思ったのだろうか。

私たちに遠慮してか、家に帰りたいとは言わない義父。

死の淵から二度も這い上がってきた生命力。

あとは穏やかに苦痛なくすごしてほしい。