2015-05-02 番外編・1 思えば彼女たちとの付き合いは、その母親の葬儀から始まった。そのことに気づいたのは、出棺のときに「お母さんのときもお父さんのときも、お姉ちゃんにはお世話になって」と涙声で言われてだった。あれから25年ほど経つ。あの頃と同じようなセーラー服姿。今度は祖父を送る孫が着ている。世代が替わる。馴染み親しんだものが消えてゆく。時には啀み合い、反発しあったものが、触れようとした時には冷たく、もう遠くへ…大きな波に翻弄されて、母一人娘二人の小舟は大海へ出てゆくところだ。