いつかは介護・5分の3の記録

脳梗塞で倒れた家族の介護日記でしたが、死生観なども綴ります。

番外編・1

思えば彼女たちとの付き合いは、その母親の葬儀から始まった。

そのことに気づいたのは、出棺のときに「お母さんのときもお父さんのときも、お姉ちゃんにはお世話になって」と涙声で言われてだった。
あれから25年ほど経つ。
あの頃と同じようなセーラー服姿。今度は祖父を送る孫が着ている。

世代が替わる。
馴染み親しんだものが消えてゆく。
時には啀み合い、反発しあったものが、触れようとした時には冷たく、もう遠くへ…

大きな波に翻弄されて、母一人娘二人の小舟は大海へ出てゆくところだ。