納骨 2
お墓を建てる、ということに抵抗はない。
ただ先々のことを考えると、誰が世話をしていくかが気になる。
昔住んだ、馴染みのある土地。
大きなお寺はたくさんの人が集まり、賑やかでいつでもお参りができる気楽さがある。
以前そこを訪れたときに納骨や永代供養があることを知った。きっとここなら義父母も安心してくれるだろうと思う。
何家族か集まり、お経をいただいて式は終わる。場所と形が違うだけでやり方は同じだ。
この日の同じ時間帯で6家族。たくさんのお骨が納められているんだろう。
「やっと安心したね。」
と家族のひとりが言う。
どこまでいっても気持ちの在り方なのだ。
安心して先へ進むことができるのなら、それでいいのだ。
納骨 1
いずれはお骨を納めなければならない。
お墓の土地は用意されてはいたのだが、墓石などはこれから、という状態だった。
墓石を建てても、この先手入れができるか不安だ。未来永劫などという甘い言葉は信じていないが、目に見えそうなすぐ先のことなら想像はつく。
お墓があっても菩提寺の総本山へお骨を納めには行くので、それならばと行き先を探していた。
できたら人の集まる寂しくないところへ、街中のいつでも行けるところへと、昔住んでいた地域に近い大きなお寺を選んだ。
馴染みの場所にあるお寺は、納骨といっても他の人のお骨と一緒くたにするのではなくそのまま預かる形で、必要となればあとで返納してもらうことも可能だという。
永代供養の費用は二人分だと墓石を建てるのと変わらない。先のことを心配せず、安心して預けられるのはとてもありがたい。
そういう結論で、お骨を納めに行くことになった。